ごあいさつ 平成25年4月
株式会社 新見庄あしだち本店 代表取締役 静 恭二郎
(足立石灰工業株式会社 代表取締役会長)
当社は地元新見の会社として2013年2月設立し、足立石灰工業(株)アグリグループの事業を引継ぎました。
足立石灰工業(株)は1939年創業以来、石灰石・石灰についての事業を続けてまいりました。
鉱山を採掘する鉱山業は自然を相手にする第1次産業に位置づけられますが、2009年、この第1次産業の最も基本である農業分野に参入することの検討を始めました。
農業分野に着目したのは、世界の人口増に伴う食糧不足が2020年に顕在化すると言う背景的な問題意識もありましたが、身近な所での着目理由は2つあります。
一つ目は、昨今の日本の経済の低迷は地方の活力が発揮し難くなってきており、岡山県の北西部に位置する新見市でも経済活動の低迷が続いています。この状態を脱却するためには、従来とは異なる取り組みが必要と思われるところにあります。
本業の石灰業は、地域と密着した鉱山を生かす産業であり、鉱山開発着手からは70年以上地元の皆さんのご協力により発展し生産量は増加したものの、雇用と言う点では設備増強と共に漸減して来ております。
そこで、相当多くの社員が兼業農家であることから、農業進出に取組むことと致しました。
二つ目は、甚だ個人的な問題意識にあります。
当社に1998年赴任する以前は、関西・関東の都市部に生活をしてきましたが、ここ岡山・新見に赴任して以来、それまで思いもよらなかった、食についての「地方の豊かさ」と、「都市部の貧しさ」の大きな格差に気が付いたことにあります。
地方では旬の野菜や果物や山菜など、格安で採れたての美味しさが日常楽しめるのです。都会ではスーパーなどに行けば、いつでも何でも揃ってはいますが、まるで香りや風味が感じられない食材だと気付き始めました。
さらに驚いたのは、都会の人たちも、地方の人たちも、自分が味わっている食材を全国皆が同じような美味しいもの/美味しくないものを食べていると信じ込んでいることでした。
また、良く知られていることですが、都会の消費者が食材に支払う金額のおおよそ1/3しか農家の収入にはならないということも事実のようです。
この経済的格差と食の逆格差があるのなら、そこにビジネスチャンスがあるのではないかと考える次第です。
しかしながら、2009年からアグリ・グループを立上げて取組んでみると、知らないこと判らないことが山ほどあり、戸惑うばかりでした。2009年はトマトに兆戦しましたが、生ものの販売は実績がなければ、事業として立ち上げることは至難の技と実感させられました。2010年は、社員の兼業農家の実績を生かすことを最優先に取り組んで参りました。
幸い地元の農家の皆さん、農業協同組合の皆さん、岡山県や新見市の行政の皆さん、その他多くの皆さんの暖かいご支援により、ようやく、このお米販売のホームページを立ち上げることが出来ました。皆様のご支援・ご協力に深く感謝申し上げます。
このホームページで扱うお米は美味しさを一番にしていきます。
そのため、味を確かめる手立てを導入して行きたいと思っています。多くの方に参加いただく味見会を開催したり、味覚に関心のある方にモニターになって頂き、消費者の立場で確かめることを進めて行きたいと考えています。
また、味覚は個人的好みや体調による変化もあるでしょう。美味しさを判断するのは消費者の皆さんであることを原点に、お試しパックで納得頂くことを大事にして行きたいと思います。
皆様の暖かいご支援・ご理解により、都市部の皆さんに地方の食の豊かさを体感して頂き、農家の皆さんには適正な対価を得ていただくことで、末永く発展していくことが出来ることを願っております。
なお、このホームページ立上げにご協力を頂きました多くの方に感謝すると共に、私共の経験不足で、皆さんにお伝えしたい思いを充分には表現できていないと感じており、さらに使い勝手に付きましても不十分なところが多々あろうかと存じます。今後改良を加えて行きたいと考えておりますが、お気づきの点など、「お問合せ」にて、ご指摘を頂ければ幸いでございます。